東大は学部生の女子の割合が2割を超えたことがない(※現在19.5%)。低い理由は? どうすれば高くなるか? 東大名誉教授で社会学者の上野千鶴子さん(72)、総長賞を受賞して東大法学部を卒業した信州大特任准教授の山口真由さん(37)、2020年度ミス東大の神谷明采さん(20)の3人が語り合う。
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上野:女子が2割で女子校出身の神谷さんはどう思った?
神谷:実は昨春入学してからずっとリモート授業で。まだあんまり男の人と話す機会がないんです。
上野:今年度の1年生はまだ学内文化のカルチャーショックを受けてないんだ。
神谷:リモートだと、どうしても会いたいと思わない限り、会わないんです。同性のほうが居心地がよくて、男の子とはあまり話さないですね。
上野:山口さんはどんな経験をしたの?
山口:入学してびっくりしたのは、サークルは東大男子と東女(東京女子大)や本女(日本女子大)の組み合わせになっていたこと。東大女子は雰囲気を壊すからという理由で入れてもらえないことがありました。飲み会も男子が3千円で、女の子は千円、東大女子は2千円と言われて、「え?」みたいな(笑)。
上野:参加費では東大男子と他大女子の中間なのね。
山口:東大男子と東女、本女、白百合(女子大)のカップル、けっこういました。“きちんとした”家庭で育っていて、自分についてきてくれる理想のモデルなのかもしれません。
上野:テニサー(テニスサークル)にいた男子にどうやって女子を勧誘するのと聞いたら、基準は二つあると。一つは顔、もう一つは実力。一般職(顔)と総合職(実力)の採用と同じことにあきれました。
神谷:大学は「東大女子お断り」は認めないとしましたけど(2019年3月に文書で改善要求)、実態としては、一部でまだ残っているような印象を受けています。
山口:話したら他大女子もみんないい子なのに、(東大男子に向けて)勝手に競わされている感じでおもしろくない。