公明党の立党精神に反する行為であり、大変申し訳なく思っています。私自身、最初に聞いたときには本当にショックでした。

 我々は「大衆とともに」という精神のもと、国民が苦しむときは一緒に苦しむという姿勢でやってきました。しかし、長く与党でいる中で特権意識というか、「自分だけは許される」という思いがあったのではないでしょうか。

 もちろん、普段は特権意識など自覚している公明党議員はいないはずです。しかし、私たちが表面で意識するよりも深くに、おごりがあれば、何かの拍子で本質が出てしまうものです。緊急事態宣言下なのに「次も用意してあります」と誘われて「まあいいか」と思ってしまうのは、心の奥底にそうした特権意識があったからでしょう。だから常日頃から、我々は謙虚に生きていく姿勢を鍛えて、政治家を続けていかなければなりません。

――遠山氏はなぜ高級クラブに行ったと話しているのですか?

 その日会っていた方に、食事の後に「次の店を用意あるから、もう少し相談に乗ってほしい」と突然言われて、つい行ってしまったと。本人はついて行っただけで、銀座のクラブだとは思っていなかったようです。とはいえ、やったことは決して許されません。

――支持母体である創価学会員を取材すると「高級クラブに公明党議員が行っていたこと自体が許せない」という声もありました。自分たちは手弁当で選挙応援をしているのに議員は5万も10万もする高級クラブに行っているのかという不満です。

 まさに、その方のおっしゃる通りです。支持者の方は何の見返りも求めずに、ボランティアで選挙を手伝ってくださっています。自分の周りの困っている人を助ける政治をしてほしいという一心で、応援して頂いています。私も支持者の方の顔を思い出したら「銀座のクラブなどに行くべきではない」と思います。東京ではいろいろな方とお付き合いもありますが、コロナ禍でなくても、庶民感覚とずれたお店には行かないというのが公明党議員の姿だと思います。それを考えれば、超えてはいけない一線はおのずとわかるはずです。本人が酒が好きだとか、人付き合いがいいというパーソナリティーとは次元の違う話だと思います。

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「支持者を増やしたいという思いはあったはず」