菅義偉首相の長男、菅正剛氏の「東北新社」が内閣広報官の山田真貴子氏に対し、7万超す接待をしていた問題で3月1日、とうとう山田氏が体調不良で入院、辞職願を提出し、承認された。
「菅首相も冷たいね」
総務省元同僚からはこんな声が漏れる。総務省幹部によると、山田氏は菅首相の「寵愛」を受けて出世街道をばく進した。菅首相が官房長官時代、安倍晋三前首相の肝いりで、山田氏が首相秘書官に抜擢された。
2014年5月29日、当時首相夫人だった安倍昭恵氏の主催で「女子会」が開かれた。昭恵氏の隣で笑顔の山田氏の姿がある。昭恵氏はfacebookにこう書き込んでいる
<縦割り行政の弊害を打破するために、各省庁の女性達の横のつながりを作っていきたいと思います。女子トーク炸裂でした…>
「いずれ、俺が山田さんを事務次官にしてやろうと思う」
菅首相はその当時からこう豪語していたという。しかし、菅首相の長男、菅正剛氏が絡んでいる接待にもかかわらず、山田氏は疑惑発覚から
1週間ほどで辞任に追い込まれた。自民党幹部がこう話す。
「2月25日に山田氏が国会招致で呼ばれた翌日に入院し、辞表を提出してくれれば、傷口が広がらず、何とか乗り切れるという空気感が政権内ではあった。しかし、菅首相が山田氏に辞表を出させると、“クビを切った”とみられるので、気にしていた。26日には記者会見を中止する”山田隠し”で動いたが、批判は高まるばかり。耐え切れずに28日の日曜日に山田氏は入院し、辞表を出し、1日に承認となった。コロナ対応、東京五輪と難題山積の菅首相は『よりによって、うちのところ(総務省)から情報漏えいが…』とぼやいていた。菅首相にとっては、ただのカードだったのではないか」
だが、野党は今後も追及の手を緩める気配はない。
「今の国会で、追及のネタはそう多くない。菅正剛氏と山田氏の話でさらに追及をしたい。森友学園や加計学園の問題と同じで、菅首相への忖度で高額な官僚接待となったのは歴然です」(野党議員)