こうして、事務所の幹部にとっても誇りだったV6。ファンの皆さんのみならず、スタッフからも愛されたV6。テレビ番組のスタッフも同様であり、たとえば『学校へ行こう!』(TBS系)が終了しても特番として再び帰ってきたことなども、その表われだ。
デビュー当時、カミセンとトニセンに“格差”があったのは周知の事実だ。見えていた景色が微妙に異なっていた時期があったからこそ、優しくて強くて視野の広いグループになっていったのである。『RIDE ON TIME』のナレーターを務める風間俊介がライブのMCだけで呼ばれていた時代も知っている井ノ原が2012年の「連続テレビ小説『純と愛』」(NHK)でヒロイン・夏菜の夫役を熱演した際、『ザ少年倶楽部プレミアム』(BSプレミアム)で「年間MVP」に強く推したことも忘れられない。
2014年、トニセンの3人がブロードウェイミュージカル『ON THE TOWN』に主演した際、インタビューをしたところ、坂本は「『わ! トニセンが歌って踊ってる』って観に来たカミセンのほうが照れますね、きっと」と笑っていたものだが、それよりも前からメンバー全員にスペシャルな個性と力が備わり、老若男女から一目を置かれるグループに成長していたV6。
果たして40代になってもなお、スタイリッシュでカッコよくてキラキラ輝いている6人なのである。
解散を知って悲しみにくれながらも心からの感謝の想いを異口同音に発信している全国のファンの皆さんと、V6のメンバーが生で会えることを願わずにはいられない。
愛し、愛されたグループ、V6は永遠にファンの皆さんの中で生き続ける。
■山田美保子(やまだ・みほこ)/1957年生まれ。放送作家。コラムニスト。「踊る!さんま御殿!!」などテレビ番組の構成や雑誌の連載多数。TBS系「サンデー・ジャポン」などのコメンテーターやマーケティングアドバイザーも務める