自作した「まん延防止等重点措置」のイメージキャラクター(C)澤井悦郎。コピーライトを表記しているがフリー素材
自作した「まん延防止等重点措置」のイメージキャラクター(C)澤井悦郎。コピーライトを表記しているがフリー素材
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自作した「上りマンボウ」のイメージキャラクター(C)澤井悦郎。コピーライトを表記しているがフリー素材
自作した「上りマンボウ」のイメージキャラクター(C)澤井悦郎。コピーライトを表記しているがフリー素材
自作した「下りマンボウ」のイメージキャラクター(C)澤井悦郎。コピーライトを表記しているがフリー素材
自作した「下りマンボウ」のイメージキャラクター(C)澤井悦郎。コピーライトを表記しているがフリー素材

 2021年3月18日に行われた新型コロナウイルス感染症に関する菅内閣総理大臣記者会見を見た人々によって、会見で使われた「まんぼう」という用語がいったい何を示すのかインターネット上で話題になり、翌日にはニュースにもなった。Twitterで研究対象の単語がトレンドに入っているのを知った私は何事かと思って調べたところ、2021年2月3日に設けられ、2月13日から施行された新型インフルエンザ等対策特別措置法の「まん延防止等重点措置」の略称のことであった。

【写真】ギネス認定された「世界最重量硬骨魚」

「まんぼう」と言えば魚類の“マンボウ”と、インターネット上では掛け言葉で関連付けられて大喜利状態になっていた(以下、「まん延防止等重点措置」の略称は「マンボウ」、魚類は“マンボウ”と示す)。この雰囲気は10年前に東日本大震災が発生した影響でACジャパンのCM『あいさつの魔法。』が頻繁に放送された時、登場キャラクターの1つ・ただいマンボウが二次創作され、ソニックただいマンボウやギガンティックただいマンボウなどが流行ったあの感じに似ていた。

「まん延防止等重点措置」の略称なら、「まんじゅう」でもいいじゃないかとの意見もインターネット上で出ていたが、「マンボウ」が話題になってしまった今、もはや略称はこれで定着したと言っても過言ではないだろう。

 カタカナで「マンボウ」と書かれると魚類の“マンボウ”と混同してしまうため、個人的にはメディアでは「まん防」などカタカナ以外で書いてほしかったが、多くのメディアが既にカタカナで書いているため、最早手遅れだと私は察した。私が調べた限りでは、2月5日のニュースで既に「マンボウ」と書かれていた。それならいっそ、アマビエみたいに魚類の“マンボウ”を「まん延防止等重点措置」のキャラクターとして推し出してはどうかと思い直したところである。

■「まん延防止等重点措置」とは?

「まん延防止等重点措置」は、新型コロナウイルス感染状況がステージ3(感染者が急増し、医療提供体制に大きな支障が出るのを回避する対応が必要な段階)になった時に、市区町村単位で発動される感染拡大を抑制する措置のことである。

 ステージ2では特に政府からの要請はないが、ステージ3になり「マンボウ」が発動されると、政府が対象とした都道府県の知事の判断で飲食店の営業時間短縮・イベント開催制限・発動地域の出入りの自粛などが要請・命令できる。特に飲食店が時短命令に応じなかった場合、20万円以下の過料が科されるとのことで、飲食店にとって「マンボウ」は良くないイメージが付きそうだ。

 また、ステージ2からステージ3に上がることを「上(のぼ)りマンボウ」、緊急事態宣言が該当するステージ4からステージ3に下がることを「下(くだ)りマンボウ」と呼ぶという新たな用語も生まれている。再発令された緊急事態宣言が3月21日に全国的に解除され、そのまま「下りマンボウ」となる地域があると思いきや、政府は初適用に慎重な姿勢を示している。これからニュースで嫌というほど「マンボウ」という言葉を聞く日々が続くことは想像に難くないが、どうか魚類の“マンボウ”は嫌いにならないで欲しい。

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万引き防止のキャラクターにも