プランとしては新球場完成後、巨人は速やかに再移転。新国立は建物規模を縮小、土地の有効活用などをする。例えば、スタンドを減らしサブトラック他を建設、陸上競技大会を対応可能にしても良い。野球界だけでなく、多くの他競技関係者にとっても朗報となるはずだ。
「巨人は現在の東京ドームがある都心の水道橋、後楽園を離れたくない。国内最高の立地でこれだけの場所は他にない。首都のど真ん中にある大規模スポーツ施設は、世界を見渡しても例がない。新球場を造るための苦肉の策としては考えられる」(巨人担当記者)
東京ドーム建設時は、後楽園球場に隣接する競輪場他を潰した(晩年はプールなどでも使用)。現在の施設敷地内には同様の代替用地がない。立て替え時には、巨人は他球場を間借りする必要がある。そこで新国立を使用する案がある、と言うのだ。
「築地市場跡地の新球場案も期待されたが、小池百合子・都知事の方針もあり無くなった。今の場所なら、東京ドームの部分改修、もしくは建て替えしかない。読売グループが東京ドーム経営権を握るとともに、新球場建設の話も出始めた。新国立の間借り案も夢物語ではない」(ビジネス誌ライター)
1月19日、三井不動産は東京ドームに対する株式公開買い付け(TOB)が成立したと発表した。東京ドームを完全子会社化した後、20%を読売新聞グループ本社に売却する予定。その先には東京ドーム立て替えも視野にある、と関係者は言う。
読売グループは、コロナ禍での安全環境などを目指した約100億円規模の東京ドーム改修を行なっている最中だった。当初は、新型コロナウイルスが蔓延する中で興行を継続するための付け焼き刃的な改修の印象もあった。しかしTOBなどその後の流れを見ると、先を見据えているのは間違いなさそうだ。
「仮に新球場建設なら多くの収益を生み出せる、多用途性を併せ持った建物になる。収益アップのため、テナント収入が見込める不動産であることも必要。都内一等地は外せない条件。三井不動産、巨人(=読売)は現立地に拘っているはず」(ビジネス誌ライター)