一枚のチケットを購入することで、バスケのBリーグとバレーのVリーグの試合が一度に見られる。アリーナスポーツを盛り上げるための新しい試みが、3月20日と21日、大阪のおおきにアリーナ舞洲で行われた。手を組んだのは、大阪を本拠地にするBリーグの「大阪エヴェッサ」とVリーグの「サントリーサンバーズ」。アリーナスポーツ同士の競演という挑戦的な取り組みには、どのような狙い、裏側があったのか。関係者が語った。
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3月20日、正午から始まったVリーグのサントリーサンバーズ対大分三好ヴァイセアドラーには2315人、午後5時5分から行われたBリーグの大阪エヴェッサ対レバンガ北海道には2224人の観客が集まった。両試合とも白熱し、選手たちの熱いプレーで観客も盛り上がっているように見えた。
大阪エヴェッサ(Bリーグ)の試合を観戦していた、サントリーサンバーズ(Vリーグ)のファン数人に感想を聞いたが、
「Vリーグと違って常に音楽が鳴っていたり、ドキドキして楽しいですね」(兵庫県の20代女性)
など、いずれも好評だった。
■共催の目的と利点
ここ数年、アリーナスポーツに対する投資が活発化している。特にBリーグは大河正明前チェアマン、島田慎二現チェアマンと歴代トップが、プロスポーツ興行をエンターテインメントとしても魅せるという方針を示し、アリーナの必要性を唱えてきた。
こうした背景があり、大阪エヴェッサのシニアマネージャー・櫻井亮さんは、2019年10月頃、同じ大阪を拠点にするスポーツチーム同士で手を組めないかとサントリー側に打診していた。
「Bリーグは中期計画でアリーナ改革がありましたし、Vリーグの方も将来的にホームアリーナの要項を強化することがわかっていたので、『一緒にやりませんか?』と提案したのです」(櫻井さん)
一方、Vリーグのサントリー側は
「コロナでなかなか試合観戦に来られない人もいる中で、話題性を出していくことで、同じ大阪市の中でスポーツを盛り上げられないかと考えました。競技は違っても、同じアリーナでスポーツを楽しめるし、双方のファンが交流ができることもメリットになると思いました」(CSR推進部・吉田譲さん)