月曜日の午前10時頃、車から降りてきた男性は何か考えごとをしているかのように、伏目がちに歩いた。オールバックになで上げられた髪。スーツの左襟元には、国会議員の秘書時代と同様に、バッジをつけている。小脇には分厚いファイル2冊を抱え、「あべ晋三事務所」と看板が掲げられた建物の中へと消えていった――。

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