昭和の芸能界を煮詰めたようなかつての新喜劇の世界。そこで座長としてトップを張っていた花紀京さんの付き人を務めていたのがチャーリーさんでした。
時代は変わっても、刷り込まれたDNA配列は変わらない。だからこそ、芸に厳しい。だからこそ、突き抜けて面白い。
小籔千豊さんが座長になったころから、重ねて言っていたワードがあります。それが「“ポストチャーリー”の育成」ということでした。
これからも新喜劇が広く愛されるために必要不可欠なのが、いつ、どこで、どんな形でやっていても「この人が出てきたら、新喜劇」というアイコン的な人を作ること。その人が出ているだけで、観客が自動的に「これは新喜劇だ」と認識する存在感を持つ人材の創出。それが急務であると。
流行語大賞に選ばれた事実が示してもいるように、それくらい、舞台上でのインパクトの強い人でした。
新喜劇にとって、まさに余人をもって替えがたい人材を失いました。ただ、この日が来ても焦らないために、小籔座長を筆頭に、みんなが努力を重ねてきた。
チャーリーさんが安心して、ゆっくりできる。もしくは「それはワシの役や!」と島木譲二さんの一斗缶を蹴り上げるような新喜劇がこれから展開されることと思います。
それこそがチャーリーさんへの恩返し。
こんなやぼなことを書かずとも、新喜劇の皆さんの中にはその思いが湧きあがっているはずです。(文=中西正男)