「この1枚の写真で応援してくれたら、ありがたいもんや。1回、笑ってもらえたら嬉しいやろ、それが1年、2年先の人気につながる」
ある時、記者が楽屋を訪ねた時、驚いたことがあった。
普段はにこやかなチャーリーさんが、若い芸人に向かって顔を真っ赤にして叱っていたのだ。
「お客さんや、お客さんを笑わせるんや。お客さんから笑いをもろうて、どうするん」
どうも若い芸人が舞台で何らかしくじったようだが、見たこともない厳しさだった。
「失敗は誰でもある。お客さんはこの1回しか舞台を見れないかもしれない。真剣勝負なんや」
若い芸人に真剣に諭していた。
チャーリーさんは私が知っているだけで3回、結婚していた。1991年、人気絶頂時には吉本興業所属の10歳年下の女性タレントと結婚し、豪華披露宴も開催した。だが、数年で破局。
「結婚はしてみないとわからんじゃあーりませんか」
こう話していたが、その後も結婚と離婚を繰り返していた。ギャグにして寂しさを紛らわせるしかなかったのかもしれない。
ここ10年くらいは吉本新喜劇の舞台にあがる回数はめっきり減っていた。それでも電話をすると、「ごめんくさい」としっかりとギャグで返してくれたチャーリーさん。
「舞台に上がらんでも毎日、ギャグで頭は一杯。また、そのうちオモロイギャグで人気復活や」
最後まで意気軒昂だった。合掌。(今西憲之)