見回る警備員、公園に規制線…それでも「ここしかない」。ルポ「路上飲み哀歌(エレジー)」をお送りする。
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「3人で『マジかよ~』ってユニゾンしちゃいました」と苦笑いするのは、東京・池袋で働く20代の男性3人組。コンビニエンスストアで酒とつまみを買い、駅西口の公園で仕事帰りの一杯を楽しもうと思っていたのに──。
緊急事態宣言が発出され、飲食店での酒類の提供が禁止された4月25日の夜も、彼らはこの公園で仕事終わりの飲み会をした。しかし、この日(28日夜)は公園内に規制線が張られて侵入できなくなっていたばかりか、見張りの警備員までいたのだ。だが彼らは公園の隅、規制線の外に場所を確保して地べたに座りこみ、慣れた様子で酒を飲み始めた。話題は飲めないことの不満ばかり。
「家に帰っても一人だし。飲んで帰りたくても店はないし」
「花見の時期以来、いつも外飲みしてたけど、誰も感染してないし」
「外は密にもならない!」
予定は一人ロング缶2本。飲み終わったらまっすぐ帰宅するという。
周辺には同じような外飲み組が集まり、それぞれが数メートル間隔で場所を取り、静かな酒盛りを始めた。会社員風の男女4人は立ち飲み。