林:高畑さん、もりもり食べながらしゃべりますよね。

高畑:うふふふ。私ね、お芝居はダメなんですけど、ごはん食べながらのお芝居は、日本でいちばん上手だと思います(笑)。前に「夫婦道」というドラマで、武田鉄矢さんと夫婦役を演じたんですが、必ず朝ごはんのシーンから始まるんです。そのとき「納豆をこれだけ口にほおばる女優を見たことない」ってほめられたんです(笑)。

林:アハハハ。うまい人って、もりもり食べて口の中で咀嚼して、自分がしゃべるときには、ちゃんと食べ終わって口の中に残ってないんですよね。これ、神ワザだなと思う。

高畑:それがもしかしたら私のいちばんの得意ワザかもしれない。とにかくほおばりたい、NG出しても、というタチですかね(笑)。

林:この映画で主演の俳優さん(水野勝)、いますごく売れてる方なんですね。

高畑:名古屋のほうで活動している方で、若い方からすごく人気があるグループ(「BOYS AND MEN」)のリーダーだそうですよ。とてもいい青年でした。

林:剛力(彩芽)さんとの共演は初めてですか。

高畑:映画でご一緒したのは初めてでしたけど、すごくカンがよくて可愛かったです。橋爪さんは剛力さんがいるとうれしくてうれしくて、相好を崩して「君はカンがいいなあ。芝居の天才だなあ」とか言っちゃって、なんて正直な人だろうと思いました(笑)。

林:脇の方たちがまたすごいですよね。石橋蓮司さんとか西村まさ彦さんとか松下由樹さんとか。

高畑:マージャン仲間として出てくるのもおもしろいメンバーです。大和田伸也さんとか石丸謙二郎さんとか。ぜいたくですよね、キャスティングが。橋爪さんの元同僚役の石橋蓮司さんがパーティーでスピーチするシーンがあったでしょう。

林:はい、素敵でした。

高畑:私もこうなりたいと思いました。橋爪さんと蓮司さんはネジをつくる会社で長年働いていて定年退職したんだけど、「世の中には雌ネジと雄ネジがありまして」と言ってこうしようとする(左手の親指と人さし指で○をつくり、右手の人さし指をその中に入れようとする)と、監督(香月秀之)が「蓮司さん、突っ込むのだけはやめてください」(笑)。「これダメなの? わかりました。えー、世の中には雌ネジと雄ネジがありまして」ってまた突っ込もうとするから、監督が「あ、ダメです」。これを3回ぐらい繰り返して、もう可愛らしくて可愛らしくて(笑)。

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