30代は主に舞台女優として活躍し、以来、ドラマ、映画でも幅広く活躍する高畑淳子さん。最新出演作となる映画「お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方」では、「終活」をテーマに熟年夫婦を演じます。作家・林真理子さんとの対談では、“老い”や演技について盛り上がりました。
【高畑淳子「『小栗旬さんを見ながらフレンチ食べたいな』と思うことはある(笑)」】より続く
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林:お母さま、まだご健在なんですか。
高畑:91歳ですが、まだ生きてます。頭がちょっとボケてきたのと、ときどき心臓が苦しくなるということで、今はナースさんがいるホームに入っていますが、すごく元気です。林さんのところは、お母さまは?
林:うち、101歳で4年前に亡くなったんです。
高畑:101歳! すごいですねえ。最後までご自身で自分のことをなさってたんですか。
林:96歳ぐらいまで一人暮らししてましたけど、骨折してから寝たきりになっちゃいました。
高畑:どういう生き方をしてたら、96歳まで一人で全部できるようになるんですか。
林:母は戦前は女学校の教師をして、そのあと本屋をしてたんです。「老いて学べば老骨とならず」と言って、それをモットーにしてましたね。
高畑:ほぉ……。私の統計によると、朝、必ず新聞を読んでる方はご長寿で頭もしっかりしてますね。
林:私も毎朝、朝刊3紙を読みますよ。
高畑:おお、それは101歳コースですね。私、最後はやっぱり知力だと思うんです。文字をちゃんと読む力も、思考力も、発信源は脳じゃないですか。
林:そう思います。たまに私と同い年の方でも、すっかり老けちゃって「この人、誰だっけ」みたいな人がいて悲しくなりますけど、同い年の高畑さんはずっと若くておきれいでいらっしゃるから、励みになりますよ。
高畑:でも、難しいです。ずっと若くいたいとは思いますが、かといって整形や注射を打ちまくって、プラスチック人形みたいになるのもコワいし、かといって朽ち果てるのもコワいし、微妙な心の揺れどころですよね。