イケメン病と呼ばれる「気胸」に苦しんでいた佐藤健(c)朝日新聞社
イケメン病と呼ばれる「気胸」に苦しんでいた佐藤健(c)朝日新聞社
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一宮西病院・気胸センター長の大亀剛氏(提供)
一宮西病院・気胸センター長の大亀剛氏(提供)

“イケメン病”と呼ばれる呼吸器の病気をご存じだろうか。正式名称は「気胸」。肺から空気が漏れる病気で、俳優の佐藤健はこの病気に2度、苦しめられたという。嵐の相葉雅紀、元NEWSのメンバーで俳優の内博貴も過去にこの病気を患ったことが明らかになっている。“イケメン病”とは、一体どのような病気なのか。病気の特徴を専門医に聞いた。

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 先月下旬、佐藤健が、出演番組「ザ!世界仰天ニュース」(日本テレビ系)で気胸に2度苦しめられたエピソードを明かし、Twitterで「イケメン病」がトレンド入りするなど話題になった。過去には、嵐の相葉雅紀、ナインティナインの矢部浩之、BUMP OF CHICKENの藤原基央、俳優の白洲迅、元NEWSのメンバーで俳優の内博貴などが気胸を患っていた。

 確かに、気胸を患った芸能人は「イケメン」と呼ばれる人が目立つ。そこから世間では別名イケメン病と呼ばれるようになったようだが、そもそも気胸とはどのような病気なのだろうか。

 簡単に説明すると、何らかの原因で肺から空気が漏れ、肺の外側のスペースに空気がたまる病気だ。肺は胸膜という膜で包まれており、肺の外側(胸膜腔)に空気がたまると、肺が圧迫されるため、息を吸い込んでも肺が広がりづらくなる。

 一宮西病院・気胸センター長の大亀剛氏は、自覚症状について次のように語る。

「よくある症状としては、胸の独特の痛みと息切れです。痛みは様々で、チクチクとした痛みの方もいれば、ズシンという胸全体の痛みを伴う方もいます。しかし、この痛みの程度と気胸の重症度は、比例するわけではありません。軽い痛みでも、レントゲンを撮ってみたら肺がぺしゃんこになっていた、といったこともあります」

 では、なぜ「イケメン」と呼ばれる芸能人が多くかかっているのか。それはイケメンだから罹患するわけではなく、長身で若い男性がかかりやすいという特徴があるからだ。

 気胸の好発年齢は、10~30代の若年層と、60~70代の年配層に二分されるという。患者の男女比でみると、9割以上が男性で、特に長身・細身の患者が多いという。

「年配の方はたばこや病気などで肺全体が弱っている場合が多いですが、佐藤健さんのような若い方が気胸を起こす場合は、肺の表面の一部だけが弱くなっていて、肺のその他の部分は健常な場合が多いです」

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