多くの人がワクチンを接種することで免疫を獲得し、コロナ感染の流行を阻止することが期待できる。一方で、ワクチンに対する考え方は十人十色だ。体調に不安を抱えていたり、自身の体質からワクチンを打って体調を崩すことを懸念する人もいるだろう。
昨年の緊急事態宣言下では、政府や自治体の要請に反して営業する店舗に脅迫まがいの嫌がらせをしたり、エスカレートして暴力をふるう「自粛警察」が社会問題になった。
「人権を侵害するような私刑は日本で見られなかっただけに、戦時中を想起させる出来事でショックでした。社会全体がピリピリしている裏返しだとも感じます。今の日本は政府に苛立ちを隠せない人たちと、政府を支持する人たちの間の溝が深い。今回のワクチン接種も、摂取しない人を過剰に攻撃するようなことは絶対に許されない。マスコミも社会が分断しないように発信する責任があると思います」(一般紙社会部記者)
コロナを一日も早く収束しなければいけない一方で、ワクチン接種は、各々の決断が尊重されるべきであることをもう一度見つめ直さなければいけない(梅宮昌宗)