返済猶予の相談がオープンにできるようになった半面、なかには「お上のお墨付き」に乗じて、大手を振って返済猶予や金利の引き下げを求める向きもあったようだ。しかし、猶予すればいいってものでもない。

「例えば利息だけの支払いにしてもらった場合、その間、元本が減らないわけです。返済が元のプランに戻ったら、その全然減ってない元本に利息が付きますので、結局、利息負担が増えます」(ファイナンシャルプランナーで税理士の佐野康隆さん)

 といっても、相談をためらってはいけない。

「困ったら、迷ったら即相談」は基本だ。返済条件を見直してもらっても払い続けるか、それとも家を手放すのかを決めるには、返済が厳しくなっている理由が一時的なものなのか、長く続くと考えられるものなのか見極めるのが大事だ。

「リストラされたが再就職の目途も近いうちにつく予定、収入もそんなに変わらない、というのであれば、たいして問題にしなくてもいいでしょう。ただ、返済が一度でも遅れると個人信用情報に傷がつき、わずか数回の延滞だけでブラックリストに載る可能性があります。競売対象にもなりかねない。残高不足でうっかり…も、あっというまにイエローカードです」(佐野さん)

AERA 2013年6月10日号

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