特に3年ぶりにツアー決勝進出を決めた橋本は、それまでウィークポイントとして挙げられていたブロック前後の動きで精度の高いプレーを見せた。橋本は「冬場に個人の課題として練習してきたことが、試合でしっかり出せたのはよかった」と大一番に向け、手応えを掴んだ。

 また優勝を飾った長谷川/二見組も2年ぶりにツアー優勝に輝き、滑り出しは上々。ブロッカーの二見は「今まで相手に勝ちたいという気持ちばかりが募って、感情的になる傾向があった。今はベクトルを自分に向けてやってきたことを出すという意識を心がけている」と言葉に力を込めた。橋本との「高さ」対決となった決勝戦では、アグレッシブな姿勢を崩さず空中戦を制した。

 今大会の屋内コートの砂は、ツアー開幕戦で用いたTACHIHI BEACHの砂が再利用される。勝利を得た砂地で戦うことになる草野/橋本組、長谷川/二見組にとっては、「高さ」を発揮できる好材料となりそうだ。

 またツアー開幕戦で好感触を得たのは、この2チームだけではない。4年ぶりにペアを結成して挑んでいる西堀健実(トヨタ自動車)/溝江明香(トヨタ自動車)組も同じだった。西堀は「サーブを重点的に強化してきて難しい場面でも効果を出すことができた」と自信を覗かせた。西堀と溝江はロンドン、リオデジャネイロでオリンピック予選を経験。いずれも敗退に終わり、東京2020では経験値を武器に悲願のオリンピック出場を虎視眈々と狙う。

『女王』、『若手』、『高さ』、『ベテラン』という勢力図が出来上がった女子ビーチバレー。初めての会場となる屋内ビーチコートという未知なる世界での勝負を制すのはどこのチームか!? (文・吉田亜衣)

●吉田亜衣/1976年生まれ。埼玉県出身。ビーチバレースタイル編集長、ライター。バレーボール専門誌の編集 (1998年~2007年)を経て、2009年に日本で唯一のビーチバレーボール専門誌「ビーチバレースタイル」を創刊。オリンピック、世界選手権を始め、ビーチバレーのトップシーンを取材し続け、国内ではジュニアから一般の現場まで足を運ぶ。2021年5月、ビーチバレースタイルWEBサイトをリニューアル。動画、写真、インタビュー、速報ニュースなど中心に報道を行っている。ビーチバレースタイルサイト bvstyle.net

暮らしとモノ班 for promotion
【フジロック独占中継も話題】Amazonプライム会員向け動画配信サービス「Prime Video」はどれくらい配信作品が充実している?最新ランキングでチェックしてみよう