
ペットはもはや大事な家族。読者とペットの愛おしい日常のひとコマをお届けします。今回の主役は、犬の花ちゃん(3歳)です。
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犬を飼うなら狆(ちん)がいいなと思っていました。穏やかな性格で、昔から日本で室内犬として可愛がられてきた日本犬です。
数年前、飼い猫を老衰で亡くしました。1年ほどして雌の狆を飼うことになり、花(3歳)という和風の名前を付けました。
花を飼いだして1週間。大変なことが起きました。花を抱いて立ち上がろうとしたとき、花がもがいて1メートルほど下の床に落ちたのです。花は鋭くキャンと鳴きました。
後ろ脚を痛そうにするので診てもらうと、右後ろ脚骨折とのこと。手術、入院となりました。
猫ならケガはしないと思いますが、犬の扱いに慣れていないため、大変可哀想なことをしてしまいました。
その後は元気ですが、花は人を思いやることができる犬なのではと思うことがあります。
例えば──
話しかけると、花は顔をそらさず私をじっと見つめます。話の内容はわかっていないでしょうが、じっとこちらを見つめ、聞いてくれるのです。
ドッグフードを食べたくないとき、下に敷いたナプキンで口などを使って覆います。残しても怒らないのに、自分でよくないと思うのでしょうか。
散歩中、私がリードを放してしまったとき、あちこち動かず、ちゃんと持たなきゃという顔でリードと私を見ます。
抱き上げようとすると、抱き上げるタイミングに合わせて小さくジャンプします。楽に持ちあげられるよう、跳んでくれているようにも思えます。
花と暮らしだして、活気と癒やしと潤いのある生活になったように思います。娘家族の世話にならないで、最期まで花の世話をしたいと思っています。(名古屋市緑区/77歳/無職)
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※週刊朝日 2021年5月28日号