浦和のユンカー(左)とG大阪のウェリントン・シウバ(右)(写真/gettyimages)
浦和のユンカー(左)とG大阪のウェリントン・シウバ(右)(写真/gettyimages)
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 2月26日に開幕した2021年のJリーグ。約3カ月が経過した今、「第2段階」に突入している。コロナ禍による入国制限の影響などで来日が遅れていた外国人選手たちがチームに合流して次々とデビュー。各チームの戦力、試合内容、そして結果に大きな変化が出てきている。

 その“新外国人ブースト”が絶賛発動中なのが、浦和だ。3月までの開幕6試合を1勝2分3敗と出遅れた中、約2億8000万円の移籍金をつぎ込んで27歳のデンマーク人FWユンカーを獲得。世界的には無名だが、昨季のノルウェーリーグで25試合27得点11アシストの大活躍で得点王&MVPに輝いた左利きの長身ストライカーは、ビザ申請と14日間の隔離期間を経て4月26日にチームに合流した。するとデビュー戦となった5月5日のルヴァン杯・柏戦の開始9分で来日初ゴールをマーク。

 さらに同9日の仙台戦で巧みな抜け出しから左足でゴールを決めると、続く同16日のG大阪戦では競り合いの強さを見せての先制ヘッドと、カウンターからのクロスに左足を合わせたダメ押し弾で2点を奪って見せた。そして5月22日の神戸戦でも後半40分にに左足ボレーでゴールネットを揺らし、リーグ戦3戦連発&公式戦5戦5発。いきなりチームに欠かせない戦力となっている。ゴール前で抜群の決定力を見せるだけでなく、攻撃の組み立てにも参加し、献身的な守備でもチームに貢献。端正なマスクに「美しい」、「王子」との声が上がるとともに、早くもサポーターから「神様、仏様、ユンカー様」と崇拝の対象になっている。

 J1残留が目標の湘南では、7年ぶりに復帰したブラジル人FWウェリントンが再デビューから即、結果を残している。4月4日に来日して同20日からチーム練習に合流すると、同25日の清水戦の後半32分から途中出場して同43分に同点ヘッド弾。5月9日の大分戦でも途中出場から後半終了間際に再び頭でゴールネットを揺らし、ホームでは約2カ月ぶりとなるリーグ戦勝利に貢献した。チーム自体はまだ勝点15の14位と降格圏を背後に感じる位置にいるが、空中戦で圧倒的な強さを見せるウェリントンが周囲との連携を深め、その武器を生かせられるようになれば、さらなるゴール量産&チーム浮上が可能になるはずだ。

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