作家の室井佑月氏は、改めて「日本は大丈夫だろうか」と不安をつづる。
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季節の変わり目はいつも体調を崩す。といってもいつもとは違うのは、新型コロナウイルスに掛かった可能性も心配しなくてはいけないところ。もともと引きこもり気味ではあったが、できるだけ家に居たいと自分で思うのと、不要不急の用事以外は家から出るなと上から命じられるのとは、違う。微熱がつづいていたのはコロナではないとわかったが、やる気のない日々はつづいている。
とどめになったのは、菅総理が5月13日、官邸で森田健作さんと昼食をし、東京五輪や新型コロナウイルスワクチン接種について話し合ったというくだらないニュースを見てからかもしれない。
この報道について立憲民主党の小西洋之参院議員が、
「よくこの国難の最中に森田前知事と会食する暇があるなあと思う。菅総理は国民のために森田氏から何を学ぼうとしたのだろうか」
そうツイッターで嫌みを書いていたけれど、その通りだ。最近では、内閣官房参与の高橋洋一氏が、コロナの感染者数のグラフを提示し、「日本はこの程度の『さざ波』。これで五輪中止とかいうと笑笑」とツイートしたものが不謹慎だと話題になった。
内閣官房参与とは、総理のアドバイザー。高橋氏は1年前、「コロナ対策は『大阪モデル』が政府よりも東京よりも断トツで優れている」という連載記事をあげた人だ。こんな人をアドバイザーに抜擢し、そのアドバイスを有り難がっているって、なんだか怖い。
日本は大丈夫だろうか。そうキリキリと感じているのはあたしだけじゃあるまい。張り詰めたその思いは、張り詰めすぎて、今は伸びたゴムみたいになってしまった。
最大野党の立憲民主党は、内閣不信任案も出さない。代表の枝野さんは、「今は政治空白を作るべきではない」といっているが、解散を決めるのは菅総理だし、今が政治空白ではないとでも?
今の政権と交代し、自分らの仕切りでやる自信がないといっているみたいだ。応援している者にとっては、梯子(はしご)を外されたような感じだ。