自分はどこに向かいたいのか、何を目指したいのか、を考えて書き出してみることです。

「急に目的地の設定なんて無理」
「忙しくてそんなことを考える余裕はない」

 と思いますか? しかし、どんなに忙しくても目的地を考えておくことが大切な理由が二つあります。

 一つは、目的地を設定していないと、迷いやすい、ということです。
ちょっと飛行機に乗るときのことを考えてみてください。もし目的地が決まっていない飛行機だったらどうでしょう。非常に不安になりますよね。飛行機は離陸した後、きちんと目的地が定まっているから、途中で乱気流に巻き込まれても元に戻すことができるのです。

 これは、我々の日常に置き換えても同じです。目的地が決まっていれば修正することができますが、何もないと常に場当たり的な対応になってしまい、自分の望む方向に行けるかどうかは運に任せる、ということになってしまいます。

 もう一つ大事なことは、人間というのは目標達成した時よりも自分自身の成長を感じた時に幸福度が上がる、ということです。

 ですから究極的には目的地を設定してそれを達成することが大事なのではなく、目的地に向かって少しずつ近づいていっている自分を実感することが大事なのです。これは「個人的成長」ともいいます。

 ですから、もし目的を達成してしまったなら、新たな目標を設定し直すことが必要なんですね。

 目的地を設定のコツは、間に小さいゴールを設けてスモールステップで進んでいくようにすること。そうするとやる気が長続きしますし、より成長が実感できて、幸福度アップにも繋がります。

 子育て中の女性は毎日大忙し。

 自分の目的地なんて考えたことがない、という方も多いかと思いますが、無理にでも時間を作って自分の目的地(5年後、3年後、1年後、半年後などのように期限を決めるとなお良し)を考えてみることをおすすめします。

 母親として、家族の一員として、一人の女性としてどうありたいか、心の声に正直になって、紙に書き出してみましょう。
意外と自分でも思ってもいなかった答えが出てくるかもしれません。

「将来の目標を考えることなんて、子どもにやらせること」というのは大きな誤解です。人生の選択肢が多く、毎日目の前の「やるべきこと」に忙殺されがちな子育て中の女性こそ、自分自身がもっと幸せになるためにやりたいことなのです。

※星渉さんの新刊『科学的にイライラ怒りを手放す神子育て』(朝日新聞出版)から

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