「テツトさん」こと、今年からキャプテンに就任した山田哲人に花を持たせるようにそう話したが、試合に勝った後などにそのキャプテンの肩に手を回し、ポンポンと叩く姿を見ていると、7月で29歳になる山田とどちらが年上か分からなくなる。そんな2人について、高津臣吾監督は──。

「仲いいですね、あの2人。まずね、ムネ(村上)がテツトをリスペクトしてない(笑)。(先輩・後輩なのに)友達みたいな感じで、でもそれを許してるというか、ちゃんと一線引いてテツトが仲良く面倒見てるっていうのは、ちょっと嬉しいかな。仲良くっていうのがチームに必要なのかどうかは別として、お互い刺激してる部分もあるのかなと思いますね」

 昨年までは率先してナインを引っ張るタイプではないと見られていた山田が、今シーズンは自らキャプテン就任を志願し、ベンチでもよく声を出すようになった。そして、その“兄貴分”をサポートするように、若い村上が喜怒哀楽を前面に出してチームを盛り上げている。

 そんな村上の姿はある意味、チームリーダーのようにも映るが、二軍監督として高卒1年目から身近に接してきた高津監督の見方は、少々異なる。

「皆さんそう言いますけど、そこは違うって言ったら失礼だけど、まだまだ『ボクちゃん』ですよ。コーチに怒られ、ノリ(青木)に怒られ、怒鳴られ、一生懸命、頑張ってるなっていう感じです。まだ先頭に立ってとか、リーダーシップとかっていうのは、そこに関しては時間がもっともっとかかると思います」

 もっとも村上の「フォア・ザ・チーム」の姿勢は、ベンチの中だけにとどまらない。三塁の守備に就いていても、一塁を守っていても、ピッチャーがピンチを招いた時などは、タイミング良くサッとマウンドに歩み寄る。

 これは何も今に始まったことではない。一軍で試合に出始めた頃から「ピッチャーは(マウンド上で)1人なんで」と、積極的に声をかけに行っていた。そこにいるのが大ベテランの石川雅規であろうと、外国人投手であろうと、変わることはなかった。

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助っ人にも積極的に…