占い師、作家 しいたけ.占い師、作家 しいたけ.
※写真はイメージ(gettyimages)※写真はイメージ(gettyimages)
 AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

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Q:最近上司に対して腹が立ってキツくあたってしまいます。人間性は悪くなく実力もある人ですが、問題が生じると周りが見えなくなって他の業務が疎かになる部分や、自分に対して下手に出てくる部分などにイライラします。以前占いで、上司のもとで働くのは向かないと言われました。どんな心持ちで働けばいいでしょう。(女性/看護師/29歳/ふたご座)

A:合わない人って、どんな人にもいると思います。人と人との相性ってあるから。身の回りで合わない人が出てきたときに人は何を始めるかというと、「合わないことの証拠集め」を始めます。「やっぱこの人ダメだ」「こんなイケてないことしてる」って。一時的なストレス解消のように思えるけど、それで逆にストレスがたまっていきます。

 僕は、合わない人、見るだけでムカつく人が出てくるのは仕方ないと思っています。でもそこには流儀とか作法があって、「相性が合わない流儀」っていうのかな。それは、合わないのは自分勝手なことでもあると自覚すること。

「この人すごく腹が立つ」「なんでこんなことするんだこの人」というムカつきは、結局すごく自分勝手な行為だとわかっていると大丈夫なのです。自分と相性が悪いだけで、他の人にとってみたらその人に助けられている人もいるし、その人が上司でよかったと思う人も中にはいるだろうし。腹を立てるのは自分が自分勝手なことをしていると思うと、わりとブレーキになってくれます。憎しみの手前でストップできます。

 ふたご座は、相手が、やってほしいことと外れてしまった場合に、自分がパニックになってしまうことがあります。

 
 例えば夫婦間で、子どものことについて喧嘩しているのに、旦那さんが機嫌をとるためにケーキを買ってきちゃったとか。そういうことに対してふたご座の不安は増幅する。「え、そこじゃないんだけど」って。この人と今後話し合えるだろうか、と習性が違う動物を見るような感じで相手のことを見てしまう。

 普段から強い口調でしゃべっている場合は、本当に伝えたいことがあっても相手からは「なんだいつもの小言か」みたいに捉えられがちです。相手に本当に伝えたいことが出てきたら、喜怒哀楽の表情を意識して盛ったほうがいい。ストレスがたまった状態で何か言ってる時の顔つきは、無表情で強ばった状態になります。そうすると相手はバリアを張って聞かないモードになって、「あ、何か怒らせちゃった」で終わってしまう話って多い気がするから。面倒くさいかもしれないけど、実はすごくシンプルに、相手のことを気遣って言えばわかってくれることも多いです。

 ただ、どうしても無理な場合、相性の悪さは自分の士気やチームワークにも大きく関係すると思います。お仕事柄、モヤモヤをためた状態が悪影響を及ぼすようなら、転属願を出すなどの対応も考えていいかもしれません。

しいたけ./占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「VOGUE GIRL」での連載「WEEKLY! しいたけ占い」でも人気

AERA 2021年6月7日号