失策は多いものの守備範囲の指標ではリーグ屈指の阪神・中野拓夢(写真提供・阪神タイガース)
失策は多いものの守備範囲の指標ではリーグ屈指の阪神・中野拓夢(写真提供・阪神タイガース)
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 現在セ・リーグで首位を争う阪神巨人。主なチーム成績をまとめてみると以下のような数字となっている(6月3日終了時点)。

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【阪神】
平均得点:4.45(1位)
打率:.254(3位)
本塁打:55(2位)
盗塁:46(1位)
平均失点:3.55(2位)
防御率:3.33(2位)

【巨人】
平均得点:4.11(3位)
打率:.257(2位)
本塁打:68(1位)
盗塁:37(2位)
平均失点:3.67(3位)
防御率:3.50(3位)

 攻撃に関して打率、本塁打こそ巨人が上回っているものの1試合あたりの得点数は阪神がリードしている。機動力も上手く発揮しながら、効率よく得点できている印象だ。一方の投手陣もわずかに阪神がリードしているが、巨人はエースの菅野智之が復帰し、先日報道された山口俊が復帰となれば巻き返す可能性は十分にあるだろう。

 これらの数字から見ても攻撃力と投手力についてはトータルで見るとほぼ互角と言ってよいと考えられるが、気になるのはあまり取り上げられることがない守備力である。特に阪神は2018年からチーム失策数が3年連続でリーグ最下位となっているだけに、ファンにとっても気がかりな部分と言えるだろう。

 まず現時点の失策数について見てみると阪神は35でリーグ6位、巨人は21でリーグ2位と今年も阪神の課題は解決されているとは言い難い状況だ。失策数が多い順で見てみると中野拓夢(8個)、木浪聖也(5個)、大山悠輔(5個)となっており、同じ巨人で三遊間を守る岡本和真(1個)、坂本勇人(2個)と比べても確実性という意味では劣っているのが現状だ。セカンドの失策数を見てみると糸原健斗が1個に対して吉川尚輝は3個とこちらは阪神の方が上回っているように見える。

 しかし単純な失策数ではなく、セイバーメトリクスの指標を参考にすると異なる傾向も見えてくる。株式会社デルタが発表しているデータから見ると、総合的な守備力を表すUZRは岡本と坂本がやはり上回っているが、守備範囲を表すRngRに関しては大山と中野の方が高い数字となっている。

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見えてきた強みと弱み