こうした度量のある会社の経営者に、社員に対する処遇等のポリシーを尋ねると、「家族主義」とか「人にやさしい」と前向きに捉えて説明してくれます。かつては大企業の大半がこうした度量が大きい企業だったため、当たり前と感じている人がミドル世代以上は多いかもしれません。会社としては、あくまで社員のため、よかれと感じているのです。

 ところが、社員の側はそのように捉えていない人が、特に若い世代で多いのも事実です。

 理由は自分との給与格差です。若手社員とどうでもいい仕事をしているミドル世代で、おそらく給与が1.5倍以上はある。あきらかに自分は損していると感じるため、不満が大きくなるのも当然です。しかも、自分がその世代になったときには同じような恩恵はないように思えます。

 このようにどうでもいい仕事をしているように見える存在は、今や既得権益者となり不満を増幅させることになっています。年金問題に似ているかもしれません。

 ただ、自分がどうでもいい仕事をする職場に配属されたらどうしたらいいのでしょうか。

 ミドル以上であれば「悠々自適に過ごそう!」くらいに割り切ってもいい気がします。ただ、若手社員だとすれば、そうした職場が島流しのような閑職に思えるので落胆するかもしれません。会社が自分に期待してくれない。将来は暗たんたるものに確定したと感じてしまうかもしれません。

 ですが、ここでも大いに楽しんで過ごせばいいと思います。楽しむとは自分なりの工夫で仕事の楽しさを探すことです。

 例えば、前述した情報管理部に配属されたら、そこで新規事業を立ち上げてしまう。あるいは同僚と親睦を深める会合を企画する。自分が楽しいと感じられる行動をドンドン起こすのです。

 どうでもいいように思える仕事の集まった職場は、それだけ会社からの期待が低い。注目度が低く、プレッシャーがない。マネジメントも緩いので好き勝手にできたりするもの。そうした状況を楽しむ仕掛けをやってみるのです。

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