

コロナ禍以降、運動不足や自粛によるストレスから、お腹がスッキリしない。そんな人のために、最新医学に基づく腸活フードを紹介する。AERA 2021年6月14日号は、専門家に聞いた。
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「王道派」といえる従来の腸活法についても、基本と最新情報をおさえておこう。
主役といえる食材は、乳酸菌を含むヨーグルトやチーズ、キムチ。食物繊維が豊富なワカメ、きのこ、ゴボウもしっかり食べる。日本獣医生命科学大学教授の戸塚護さんに聞いた。
■主軸はヨーグルト
「腸には、腸内物質を腐敗させ腸の働きを悪くする悪玉菌がいますが、その活動を抑えてくれるのが乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌です。食物繊維は善玉菌の餌になることで酢酸(さくさん)、プロピオン酸、酪酸(らくさん)といった短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)に分解され、腸内の悪玉菌の活動を抑えます。また、腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にして便をスムーズに押し出してくれる効果もあります。だからこそ、乳酸菌が豊富に含まれるヨーグルトやキムチ、さらにはゴボウやきのこ類、ワカメなどの食物繊維をたくさん摂取することが腸の働きを活性化させるにはいいとされているのです」
とにかく乳酸菌と食物繊維が重要というのが王道派の見解。科学者や食品メーカーが臨床試験を行い、科学論文も多数執筆された“エビデンスのある説”だ。腸活に直結という意味ではやはり、生きたまま乳酸菌が腸に届くヨーグルトを主軸にしてほしいと戸塚さんはいう。
「『腸内活性化に効果がある』という特定保健用食品(トクホ)に認定されているヨーグルトや乳酸菌飲料は、臨床試験もクリアして消費者庁の許可を受けているため、安心感があります。乳酸菌飲料では、シロタ株のヤクルト。ヨーグルトでは『明治ブルガリアヨーグルト』『森永ビヒダスヨーグルト』などです」
コロナ禍で、腸活とともに免疫力アップが期待できるヨーグルトを食べ続けるのもいい。免疫力アップに関してはトクホを取得したものはないが……。