自民党の武井俊輔衆院議員(C)朝日新聞社
自民党の武井俊輔衆院議員(C)朝日新聞社
この記事の写真をすべて見る
武井俊輔衆院議員(一番左)と菅義偉首相(C)朝日新聞社
武井俊輔衆院議員(一番左)と菅義偉首相(C)朝日新聞社

 東京都港区六本木の路上で自民党の武井俊輔衆院議員(46)の60代の男性秘書が起こした“ひき逃げ”事故が、永田町で波紋を呼んでいる。事故の時、後部座席に武井議員も同乗していたのだ。

【写真】ひき逃げ事故にご立腹の菅首相ら自民党幹部

 運転していた男性秘書は自転車に乗った男性をはねた後、そのまま、走行しようとした。だが、被害にあった男性が追いかけて車を停止させた。

「男性の証言によれば、武井議員の車が逃げようとしたため、追いかけたと言っている。ケガは軽かったようだ。秘書や武井議員は救護をしようともしなかった。秘書や武井議員は『(人をはねたことに)気づかなかった』と釈明している。警視庁で調べたところ、武井議員の車は車検切れで無保険になっていた。車検切れだし、ひき逃げの疑いもあるから書類送検されるだろう。示談になる可能性もある。ただ、車検切れは道路運送車両法違反だな」(捜査関係者)

 武井議員は2019年にも別の秘書が飲酒運転し、東京都内で警察車両にぶつかる事件を起こしている。この秘書は事故を起こす前、武井議員を羽田空港まで送っていたことが発覚。武井議員は「車内では全く気付かなかった」と釈明していた。

 武井議員は12年の衆院選に宮崎1区から出馬し初当選。「歴史修正主義的なナショナリズムを排除した保守を目指す」ことを掲げた勉強会や「過去を学び“分厚い保守政治”を目指す若手議員の会」などに所属していた。2016年8月、第3次安倍第2次改造内閣で外務大臣政務官に就任。現在3期目を務めた。

 武井議員事務所は「警察から事情聴取されており、詳しい説明は差し控える。被害者には大変申し訳なく、今後誠意をもって対応したい」などとコメントしている。

 自民党幹部がこう怒る。

「武井はまたか?前回の飲酒運転の時も今回も事故も気づかなかったという同じコメントだ。懲りずに言い訳を繰り返し、どうなってんだ。武井は宮崎県出身でもともと宮崎交通にいた。いわば運転の知識に関してはプロですよ。そこから楽天に入社し、楽天トラベルで観光バスツアーなどの担当もしていた。それなのになぜ、秘書が飲酒運転やひき逃げ事故を起こすんだ。車が車検切れ、と言っているようじゃ話にならん」

著者プロフィールを見る
今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

今西憲之の記事一覧はこちら
次のページ
次の選挙で候補者を差し替えも