現実離れした美しさと圧倒的な個性で、今をときめくMattさん。「自分らしさ」を貫いた子ども時代、音楽に没頭した学生時代、美へのこだわり、父・桑田真澄さんや家族への想い……。作家・林真理子さんがホットな存在の「今」に迫ります。林さんの写真もMattさんによる「Matt加工」になりました!!
【前編/Matt、ネット中傷に「父のドラフト後に比べたら小さなこと」】より続く
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林:ミッツ・マングローブさんの週刊朝日の連載コラム(「アイドルを性せ!」2019年12月20日号)読みました?
Matt:僕のことを書いてくださったんですよね。
林:そう。ミッツさんは実に的確な表現で、「Mattさんは誰もできなかったことをたった一人でやってのけた」って大絶賛してましたよ。ミッツさんたちのころは、オカマだなんだと言われたり、いろんなことがあったって。Mattさんがあらわれて、たった一人で、多様性を受け入れられない世の中を変えてしまったって。
Matt:うれしい!
林:私も、なるほどと腑に落ちました。確かに、この4年間で世の中のほうがだんだんMatt化してきて、写真の加工もふつうになって、男性もメイクするようになりましたよね。
Matt:視聴者に親近感を与えることでファンがつきやすいという今の風潮に対して、僕は一昔前の感覚を持っているんです。手の届かない存在、会いたくても会えない存在でいることのほうがエンターテイナーじゃないかと思っていて、それを継続し続けたら世間の僕の見方が変わってきたという感じですね。僕が世の中を変えようと思ったわけじゃなくて、僕がやりたいことを続けてきたら世の中の見方が変わってきたという。
林:お母さま、「ほら、私が言ったとおりでしょ」という感じになったわけですね。
Matt:たぶん母は自信があったんだと思います。ここまで愛のある人はいないなと思っていますし、母がずっと支え続けてくれてすごくうれしいです。