今回の日本代表チームはフレッシュなメンバーが多く、今のところのびのびやってくれている感じがして、それがなによりです。
東京五輪に力を集結してよい結果を出すことが最大の目標です。それと同時に今回の代表メンバーを中心に将来の日本の競泳を背負っていってもらいたい、という願いがあります。
「チームジャパン」の意識を強く持って、ナショナルチームに入る意義というものを、選手だけでなく、コーチ陣、スタッフ陣にも感じてもらいたい。そのために早い時期から話し合いをして一人ひとりのスタッフが役割を分担し、細部の動きまで詰めて考えて、選手が力を発揮できるように行動予定を立てています。
地元五輪の利点を生かして、味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC=東京都北区)も有効活用していきます。私と一緒に指導してきた東洋大の岡田真祐子コーチも五輪前から大会終了までNTCに常駐して、代表選手とコーチをサポートしていきます。
今回選手団に入れなかったコーチ、スタッフの方たちも東京五輪をできるだけ身近に感じてもらって、今後のパリ五輪、ロサンゼルス五輪につなげていってほしい、と思っています。
(構成/本誌・堀井正明)
平井伯昌(ひらい・のりまさ)/競泳日本代表ヘッドコーチ、日本水泳連盟競泳委員長。1963年生まれ、東京都出身。早稲田大学社会科学部卒。86年に東京スイミングセンター入社。2013年から東洋大学水泳部監督。同大学法学部教授。『バケる人に育てる』(小社刊)など著書多数
※週刊朝日 2021年6月18日号