昨年度の大学選手権で初優勝を果たした天理大の時代は来る? (c)朝日新聞社
昨年度の大学選手権で初優勝を果たした天理大の時代は来る? (c)朝日新聞社

「最後のトップリーグ」が終わり、ブリティッシュ・アンド・アイリッシュラインズとの歴史的な一戦に向けて日本代表が合宿を続けている。日々の生活の中にラグビーが戻ってきた。その中で、大学ラグビー界も新たなシーズンが始まっている。

 大学ラグビー界は、永遠に続くかとも思えた帝京大学の連覇が9で途絶え、過去3シーズン、東西の伝統校3校が代わる代わる大学王座につく戦国時代となっている。

 帝京大学の連覇を止めたのは天理大学だった。2018年度の全国大学選手権準決勝で対戦すると、攻守で圧倒して29-7で快勝した。しかし、この大会で優勝したのは明治大学。準決勝で長年のライバル早稲田大学を下すと、決勝では天理大学を22―17で退けた。

 翌年度、準決勝で早稲田大学と天理大学が対戦。早稲田大学は途中から試合を支配して8トライを奪い、52-14で圧勝した。決勝は1996年度以来23大会ぶりの早明対決に。対抗戦の早明戦では完敗だった早稲田大学が前半に4トライを奪って31-0と大きくリード。最終的に45-35で11大会ぶりに大会最多の16度目の大学王座に返り咲いた。

 そして、昨年度の大会では、天理大学が2度目の決勝進出で初の大学日本一に輝いた。準決勝で明治大学を41-15の大差で下すと、今年1月11日に行われた決勝では早稲田大学を序盤から圧倒し、この試合も55-28の大勝。過去2大会苦汁を舐めさせられた相手を共に倒して頂点に立った。試合後、松岡大和キャプテンの「めっちゃくちゃ嬉しいです!」という涙の絶叫が国立競技場に響き渡った。

 天理大学は昨年度で57回目となった大会で10校目の王者。関西勢では同志社大学に続く2校目だった。今シーズン、さらに新たな王者が誕生するか。帝京大学などの復活はあるのか。それとも過去3大会の優勝争いの中心となった3校が引き続き優勝を争うのだろうか。

 大学王者として今シーズンを迎えた天理大学は、5月30日、関西大学春季トーナメント2回戦で近畿大学と対戦した。関西大学Aリーグでは5連覇中だが、昨年度8位の近畿大学に苦戦。後半に一時リードを許したが、終盤のトライで27-22と逆転し、今シーズン初戦を白星で飾った。

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早明両校は監督が交代