6月3日、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会が発表した表彰式衣装。ファッションデザイナーのドン小西さんがファッションチェックした。
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スタジアムからエンブレムまで、東京五輪絡みのデザインのゴタゴタが始まってもう6年。本番目前で、いよいよすごいやつが出てきちゃったよね。表彰式の衣装といえば、メダルを渡すたびに世界中に映像が送られる、注目度の高い衣装。なのにこれでいいのかね。だってこれってもろ、居酒屋のユニホームじゃないの。この服でトレーに載せて運ぶのは、メダルじゃなくて焼き鳥と徳利だっつうの。
調べてみてわかったよ。この若いデザイナーは和の味付けが得意。で陣羽織っぽくなったんだろうが、例えば20年後にこの服を見て、2021年を思い出したり……しないよな? 陣羽織に時代の必然性はゼロだもの。
しかし、なんでこれを選んだんだろうね。実を言うとあたしも、友だちの友だちのコネで、大きな仕事が転がりこんできたことがあるけどさ。これもまさかそんな調子で……と疑いたくなるような意味不明さ。ま、6年のゴタゴタのシメには、ふさわしいようで。
■評価は……?
2DON! 「分量感なんかは今ふうだけどね」
(構成/福光恵)
※週刊朝日 2021年6月25日号