プノンペンに住む日本人駐在員は胸のうちを語る。
中国製ワクチンをめぐっては、国レベルでも不協和音が届く。ベトナムはアセアン諸国のなかで唯一、中国製ワクチンを受け入れなかった。「中国製は粗悪というかつてのイメージが強いからだといわれます」とホーチミンシティ在住の日本人Uさん。しかし感染者が少なかったベトナムも、ここにきて急増。政府も中国製ワクチンを承認した。
フィリピンは承認申請に不備があったという理由で、寄贈された中国製ワクチンを引きとるように中国政府に伝えている。
台湾は政治的な対立もあり、中国製ワクチン提供を拒否。アメリカや日本からワクチンが提供されつつある。
バンコクのSさんは悩んだ末、無料のワクチンを選んだ。
「値段というより、早く打ちたい。訊いたところ、中国のシノバックらしい。モデルナやファイザーを平気で接種できる日本がうらやましいですよ」
■下川裕治(しもかわ・ゆうじ)/1954年生まれ。アジアや沖縄を中心に著書多数。ネット配信の連載は「クリックディープ旅」(毎週)、「たそがれ色のオデッセイ」(週)、「アジアはいつも薄曇り」(隔週)、「タビノート」(毎月)
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