あと、「緊張してるな」と思われるというかバレるのは一番恥ずかしい!

 そうすると「緊張しているのがバレないようにしなくちゃ!」とさらに緊張することになる。

 緊張というのは顔の筋肉をこわばらせる。

 緊張がバレないように笑顔を作ろうとしても、口がヒクヒクしたりする。

 その顔を見られるのはめちゃめちゃ恥ずかしい。

 若手の緊張は初々しくて可愛いが、私が緊張していても周囲はただただ戸惑うだろう。

 いや、緊張していることに戸惑う訳ではなくて、「緊張してません」という感じで振る舞ってるけど緊張しているのがダダ漏れ、という恥ずかしい状態が周りを戸惑わせるのだ。

 それは無意識に、相手に「気付いてません」という感じで振る舞うことを強要することになるからだ。

「めっちゃ緊張してるやん大丈夫?」と、軽く声をかけづらいだろう芸歴30オーバーには。

 だけども気付く。

「あ、バレてる」ということにこっちはすぐに気付いてしまう。

「なのに気付いていないフリをしようとしてくれている! 気を使わせてしまっている、恥ずかしい!」

 この事実にさらに緊張は増す。この状態から緊張を解くのはもう不可能だ。

 そういう時は最初に「緊張しています!」と口に出しちゃうのが一番だ。自分も周りもラクになれる。

 生きていくって大変。

 まもなく4歳になる我が子は、喜怒哀楽、面白いほど顔に出る。

 そのうち、親にそういう顔なんて見せなくなるのだ。寂しいもんだ。

 だけど今は全ての感情がストレートにダダ漏れだ。

 嬉しければ即興のオリジナルソングを歌い上げ、全裸で部屋を駆け回る我が子だが、先日、複雑な心情を垣間見せる場面があった。

 ガラス越しにそば打ちの様子が見える蕎麦屋を通りかかって、長い棒でそばを伸ばし、粉をふっては生地を折りたたんで、さらに粉をたっぷりふり、トントンと切る工程を食い入るように見ていた我が子。

 帰宅してさっそくタオルと棒を使ってその様子を再現しはじめた。

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「粉、ふらないの?」への意外な反応とは