レギュラーシーズンの約半分が消化した今年のプロ野球だが、コロナ禍で来日が遅れた影響によってまだ調子の上がらない外国人選手が例年以上に目立つ印象を受ける。ここまでは不振ながら後半戦に巻き返す可能性がある選手は果たしているのか。直近のプレーぶりを見ながら探ってみたいと思う。今回はまず野手編だ。
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今年の新外国人野手の中で期待の大きかった選手の1人がロハス・ジュニア(阪神)だ。しかし韓国では4年間で通算132本塁打を放つなど実績は十分だったものの、初出場から21打席連続でノーヒットと球団ワースト記録を更新。22打席目に待望の初ヒットをホームランで飾ってみせたが、その後も調子は上がらずに6月2日には登録抹消となっている。一軍ではボール球になる変化球に手を出し、簡単に三振するケースが目立ち、日本での攻め方にかなり苦しんでいるように見えた。
復調の兆しが見えてきたのは二軍降格後4カード目となった6月11日からのソフトバンク3連戦だ。1戦目で二保旭、2戦目でスチュワート・ジュニア、3戦目には杉山一樹といずれも力のある投手から3試合連続ホームランをマーク。更に17日のオリックス戦でもバックスクリーンに叩き込み、平田勝男二軍監督からも「風がなかったら和歌山まで行ってる」という発言が出るなど、持ち前のパワーを徐々に発揮してきている。
ここまで二軍でも打率は2割5分を切り、三振の多さもあるものの四球を選ぶ数も増えており、出塁率が打率を大きく上回っているのはプラス材料だ。阪神は交流戦が終わり、リーグ戦が再開してから徐々に得点力が下がってきているだけに、打線の起爆剤として近いタイミングでの一軍昇格も考えられるだろう。
パ・リーグで首位争いを演じている楽天で奮起が期待されるのがディクソンだ。一軍初出場となった4月23日の西武戦でいきなり来日初ホームランを放つなど華々しいデビューを飾ったが、その後は打率1割台と低迷し5月末に登録抹消となっている。6月から二軍でのプレーが続いているが、20日に行われた西武との試合では2打席連続ホームランを放つなど、徐々に調子を上げてきたように見える。
今の一軍の打線を見ると主砲の浅村栄斗以外は左打者がずらりと並び、またホームラン数もリーグ5位と長打力が不足しているだけに、右打ちでパンチ力のあるディクソンは非常に貴重な存在である。また内野も外野も守れるユーティリティープレイヤーという点も大きな持ち味であり、このまま調子を上げてくれば打線に厚みを加える存在として期待できそうだ。