ドラマ「チェリまほ」でブレイクを果たした俳優、赤楚衛二がAERAに登場。ドラマ「彼女はキレイだった」、妖怪役に挑戦した「妖怪大戦争 ガーディアンズ」など、最新の出演作について振り返った。AERA2021年7月5日号から。
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シャッターが切られるたび、「かわいい」「子犬みたい」「大変、子犬が雨に濡れている……」と、スタッフが口々につぶやいた。長身の青年が庇護欲をかきたてる存在に見えるのは、きっと「チェリまほ」のせいだ。
「チェリまほ」の愛称で親しまれるドラマ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」で、昨年、大ブレイクを果たした。演じたのは、触れた人の心の声が聞こえるようになった冴えない主人公、安達清。同期のエリート、黒沢優一(町田啓太)が自分を好きなことを知ってしまい、オタオタしながらも繊細に関係性を深めていく。その姿が愛らしいと、放送直後からSNSで盛り上がり、海外でも人気になった。
7月からはドラマ「彼女はキレイだった」に出演する。いま、最も旬な俳優の一人だ。だが、本人に浮足立った様子はない。デビューしてからの6年を、「長かった」と振り返る。
「謙虚というより、自分の力量のなさを自覚した時期が早かったので、出会った一つ一つの作品がすべて転機だと感じています。これからもいろいろな人や作品に出会ってもっと成長していきたい」
一方で、好きなタイプを尋ねると、こう即答した。
「全力で僕を肯定してくれる人です。甘やかしてほしい」
俳優として自分に厳しくなりすぎて、自分を肯定することが苦手になった。だからこそ切実に思うのだという。
真摯に人と向き合うことは信条だ。立場や年齢は関係ないという。天邪鬼役で出演した「妖怪大戦争 ガーディアンズ」では、主演の寺田心に感銘を受けた。
「同じシーンが多かったので、鬼ごっこやかくれんぼにも誘われました(笑)。でも、役者としての芯の強さや、周りへの意識の向け方に驚きましたし、影響を受けました。天真爛漫さと大人っぽさのバランスもかっこいい」
ライアン・ゴズリングにも憧れる。
「他人には100%なれないので、一歩一歩、自分の道を極めていきたいです」
(ライター・大道絵里子)
※AERA 2021年7月5日号