そんな有吉も今年、夏目三久という大物と結婚した。4月には「かりそめ天国」で共演。この番組の前身である「マツコ&有吉の怒り新党」(テレビ朝日系)で知り合ったといういきさつもあるが、何やら昭和の大スターが妻をお披露目しているようでもあった。
その結婚をめぐっては、こんな興味深い発言も聞けた。「有吉のお金発見 突撃!カネオくん」(NHK総合)でのこと。千鳥のノブが結婚祝いによさそうなものを見つけたものの「ダサい」と言われるのがイヤでやめたという話をした際、
「恥かいてもいいから、何でも持ってこなきゃダメ」
と、笑いながら返していたのだ。これは案外、有吉の芸に関する基本姿勢でもあるのではないか。何かやってくれさえすれば、自分がそれなりに面白くしてやるという揺るぎないものを感じるのである。
一方、有田には有吉ほどのカリスマ感はない。しかも、コンビ芸人であり、担当はボケだ。くりぃむしちゅーとしての番組では、ツッコミの上田晋也が司会を務めている。
それゆえ、有田は自分の番組では、型を作り、それを演じることで進行する。「脱力タイムズ」ではニュースキャスター、「おもてなす」ではプロデューサー、「ソウドリ」ではお笑いトーナメント主催者という具合だ。そうすることで存分に「愛ある無茶ぶり」ができるわけだ。
また、かつては細木数子のようなクセの強い重鎮ともつきあい、転がしてみせた。そういう相手の懐に飛び込み、許されるような独特のずぶとさとかわいげがあるのだ。
もっとも、若い頃は彼自身もクセの強いタイプだった。コンビのボケ担当にありがちな、悪ぶった芸風も見せ、ダーティなイメージもちらついていたものだ。実際、20年近く前、メディアによく取材される店の看板娘だった女性から彼について「すごく感じが悪かった」と聞かされたこともある。
ただ、こうしたタイプはキャリアを重ねるうち、芸風が丸くなり、ツンデレ効果でイメージがどんどんよくなったりする。特に、アンタッチャブル復活の仕掛け人となったあたりから、人間的評価も爆上がりした印象だ。