楽天は、円熟期にある先発投手が夏場にどれだけ踏ん張れるか。救援陣を含めて余裕を持って使っているだろうから、優勝を争うときに、田中将大を含めた先発投手が力を発揮できる状態にあるかがカギとなるだろう。
古巣の西武は投打に爆発的なものは感じられないが、投打がかみ合ってくるまで我慢してもらいたい。首位と5ゲーム前後でついていけば、終盤にチャンスは出てくる。平良海馬は、最近になって変化球を増やし、その中で抑えている。シーズンを通じて戦うことを意識した安定感を感じる。ピンチで慌てるそぶりもない。絶対的な守護神という武器を得たのだから、その強みを生かして勝ちを拾ってもらいたいね。
セ・リーグは阪神を楽に逃がしたくはない。5ゲーム差以上開くと、詰めるのに1カ月以上かかってしまう。巨人は山口俊がメジャーから復帰した。救援投手の疲労を考えると、五輪期間中の休養を生かし、8月、9月の戦いにつなげないといけない。
東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝
※週刊朝日 2021年7月9日号