この記事の写真をすべて見る
東京都の小池百合子知事はやはり「勝負師」だった。都議選最終日の7月3日(4日投開票)、特別顧問を務める都民ファーストの会(以下は都民ファ)の候補者の応援に小池氏が電撃参戦した。入院時に自民党との「密約説」も流れたが、疑惑を蹴っ飛ばした格好だ。
小池氏は午前10時半ごろ、東京都中野区の都民ファ代表の荒木千陽候補の事務所前にガラス張りの選挙カーで登場。都民ファのイメージカラー緑のジャケットに同色の手袋という姿で、街頭演説はぜず、荒木候補者と商店街を練り歩いた。激戦の中野区にサプライズ登場したことに対し、自民党幹部も驚きを隠せない。
「今朝早く、第一報が入りました。昨日の都庁での記者会見では調子が悪そうだったので、都議選には出てこないと思っていた。不意を突かれたというか、びっくりした。小池知事のことだから動くかも、という想定は当然していましたが、都庁幹部からは、都議選の参戦はないと聞いていたので…。都庁で公務をし、ギアが入ったようだ。やっぱり勝負師ですね。選挙となれば、アドレナリンが出るんでしょう。官邸の菅義偉首相らも驚いたようで『自民党にすり寄るのを拒絶して、勝負に出たか』、『絶好のチャンスだから一気に息の根を止めてしまえ』と戦闘モードになっていました」
小池氏は中野を皮切りに豊島、板橋、練馬区など10か所の応援に行く予定だ。小池参戦で都民ファの候補は「劣勢を挽回するムードが高まっている」という。
「現地からの情報では本人はまだ息が荒く、マイクを握らないそうだが、そもそも“仮病”だったのではないか。わが党の軍門に下る気がないのであれば、徹底的に叩き潰すまで」(同前)
だが、小池氏のサプライズ登場まで今まで余裕しゃくしゃくだった自民党も焦りの色がにじむ。
「せっかく大勝できそうな都議選が麻生さんのおかげで現場の空気がヤバくなっている」
こうつぶやくのは、東京都議選の自民党の現職候補だ。小池氏に対し、「自分でまいた種でしょう」「知事が自分でやり、過労で倒れた。同情している人もいるだろうが、そういう組織にしたのは知事」と“舌禍”をやらかした麻生太郎財務相。