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次期衆院選の前哨戦となる東京都議選(定数127)は、最終日に「小池劇場」の幕が開き、想定外のどんでん返しとなった。
小池百合子東京都知事の応援で都民ファーストの会(以下は都民ファ)が劣勢を覆す善戦で31議席を獲得。一方、50議席以上の大勝と予測されていた自民党は最終日に失速し、辛うじて第一党となったものの、33議席に留まった。公明党は前回と同じく23議席を獲得したが、自公であわせても最低ラインとした過半数(64議席)には遠く及ばず、与党に衝撃が走った。
投開票が始まった7月4日夜、自民党本部に集まった東京都連幹部らの表情は固く、候補者の名前に当確の花を付けるようなムードになかなかならなかった。
「50議席まではいかないにしても、45議席以上は堅いと予測され、党内は最終日(3日)まで大勝ムードでしたので、33議席はショックが大きかった。小池さんが選挙区に入った際も、叩き潰してやれ、という感じでまだ余裕でしたから。それがたった1日で情勢をここまで一変させるとは、小池さんこそ都議選のゲームチェンジャーでしたね」(自民党都連幹部)。
一方、菅首相は投開票日の4日夕には官邸から引きあげ、議員宿舎に引きこもったという。
「選挙プランナーの三浦博史さんから都議選の情勢についてレクチャーを受け、相当ショックを受けたようです。選挙に勝てないイメージを払拭するチャンスだったのに小池さんにしてやられた。何が起こっているのか理解できず、茫然となっているようでした。あくまで地方選挙であり国政に影響しない、とコメントするしかないでしょう」(官邸関係者)
菅首相の今後の政権運営はもちろん、今秋の衆院選に向け、求心力が低下することは確実となった。自民党の閣僚経験者はこうため息をつく。
「都議選の結果でこのままでは、衆院選は戦えないことがはっきりしたのではないか。菅首相のコロナ対応、東京五輪・パラリンピックへの対応は都民に支持されなかったということだ」