今年も早くも半分が過ぎて7月に突入。メジャーリーグにとって7月は、月末のトレード期限に向けた大事な時期でもある。ここで買い手に回るか売り手に回るかでシーズンの残りの戦い方ががらりと変わるからだが、大谷翔平が所属するエンゼルスは判断が難しい微妙な立場に置かれている。
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現地7月4日終了時点で、エンゼルスは42勝41敗。ア・リーグ西地区で首位のアストロズから9.0ゲーム差の4位で、ワイルドカード争いでもプレーオフ圏内から5.5ゲーム差と苦戦している。いくら大谷が奮闘し、長期離脱中のマイク・トラウト外野手がオールスター明けに復帰できたとしても、このまま上位との差を詰められずに月末を迎えることになれば、主力を放出して若手有望株を集め、来季以降を見据える戦略をとることも十分に考えられるだろう。
現在のエンゼルスでトレード要員とはなり得ない「アンタッチャブル」な選手は、チームの看板でもあるトラウトと、長期契約を残しているアンソニー・レンドン内野手、そして投打の二刀流で貢献度抜群の大谷くらいか。
では逆にトレードでの放出要員になりそうな選手は誰か。エンゼルスは投手陣が弱点と散々言われ続けていることを思うと意外かもしれないが、他球団が食指を動かしそうなのは投手ばかりというのが現実だ。具体的には先発ローテーションを担うアンドルー・ヒーニー、アレックス・コブに、現在はリリーフに回っているディラン・バンディとホセ・キンタナ、そして守護神ライセル・イグレシアスなどがトレードに出される可能性がある。
彼らに共通しているのは、今季は不振だが過去には見るべき実績があること(イグレシアスは今季も頑張っている方だが)、そして今季終了後にFAとなることだ。ヒーニーは18年に9勝を挙げ、コブはレイズ時代にエース級の活躍をするなど通算61勝、バンディもオリオールズ時代に2年連続2ケタ勝利をマークしたほか昨季も11試合の先発で6勝、キンタナはオールスター選出経験があり、イグレシアスは通算122セーブを挙げている(成績はいずれも現地7月4日終了時点、以下同)。