竹中平蔵パソナ会長(C)朝日新聞社
竹中平蔵パソナ会長(C)朝日新聞社

 慶応大学名誉教授でパソナ会長の竹中平蔵氏が1日、自身のYouTubeチャンネルを更新。「竹中平蔵【ポストコロナ】鬱屈需要爆発で日本人も爆買い!?」というタイトルで、新型コロナウイルスが収束した際は、「鬱積需要が間違いなく出る」と強調した。

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 竹中氏は「経済の世界で鬱積需要、ペントアップデマンドという言葉があります。お金も使いたいし旅行も行きたい、いいレストランも行きたいと鬱積していたのが一気に出てくる。鬱積需要は間違いなく出てくると思います」と説明。観光などの需要を喚起し、景気、経済再興を目的にしたGoToキャンペーンを例に出し、「それも一種の鬱積需要だったと思います。その前に緊急事態宣言があって旅行できなくなった後、安く行けることになり、一気に鬱積需要が出た。今まで落ち込んでいた需要が上がって、そしてその後冷めていくかもしれないので経済の変動が起きる」と解説した。また、今後はワクチンの接種が広まり、感染者数、死亡者数は大きく減少するが、安心感で感染に対してのケアが弱まり、再び増えると予測。「コロナとの戦いは数年間続くと考えなければいけない」と語った。

 動画のコメント欄には、「確かに、私も鬱積が溜まってきたので、発散しまくりたくなっています。運動を沢山したいです。スポーツクラブにお金をチャリンチャリンと落とすかもしれません(原文ママ)」と竹中氏の主張に理解を示す意見がある一方で、「鬱屈需要ですか、コロナ禍中に所得が減少した人は爆買いできるのでしょうかね」、「無いわ。税金も借金も増えているのに、コロナ前より景気が上振れするわけがない。あっても、それこそさざ波だわ(原文ママ)」と疑問を呈する書き込みも。

 一般紙の経済部記者は、「コロナ終息後の鬱積需要はごく一部の人達にあてはまるが、多くの人の財布のひもは固いだろう」と指摘する。

「コロナで収入が減った人たちは、生活するのも苦しい状況です。コロナが収束したから鬱憤を晴らすために、お金を使うという発想にはならない。そもそも、爆買いするという文化が消えつつある。日本人は安価で良質な商品を買い求める傾向が強くなっているからです。中国など外国の富裕層は別ですが、今は高収入の人達も将来を考えて日本人はお金を貯める傾向が一段と強い。鬱積重要は極めて限定的だと思います」

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