──「外交の岸田」をアピールしようと、2月にはロシアによる侵攻1年のタイミングでウクライナの首都キーウを訪問することも検討しているそうです。
「これも恐らく、裏には米国の強い要請があると見ています。ウクライナを積極的に支持するということは、ロシアに対抗するということです。専守防衛の日本はこれまでそういった姿勢を明確にしてこなかった。でも、日米の同盟関係を持続するために、キーウに行ってウクライナ支持を世界に示すということなのでしょう」
──防衛費増額の財源のほか、新型コロナウイルスを感染症法上の5類に引き下げる件についても、反対派にきちんと説明して押し返すという工夫や力を岸田政権には感じません。
「一つには、岸田さんを支える人たちの力不足もあります。安倍政権では菅義偉さんが官房長官、二階俊博さんが幹事長で、この2人が非常に力を持っていた。安倍さんが抽象論を語ると、この2人が嫌なことを引き受け、泥をかぶって進めてくれた。いまはそういう存在がいません。優等生ばかりになったという印象です」
(構成/編集部・小長光哲郎)
※AERA 2023年2月6日号より抜粋