国民民主党の玉木雄一郎代表
国民民主党の玉木雄一郎代表
立憲民主党の泉健太代表
立憲民主党の泉健太代表

■立憲の増税派が自民党に接近か

 野上氏の予測では、旧統一教会と密接な関係を持っていた萩生田光一政調会長や下村博文元文科相、衛藤征士郎元衆院副議長など安倍派の議員は「落選危機」。区割りが変わる甘利明前幹事長も「相当厳しい」、山際大志郎前経済再生相に至っては「落選濃厚」と言い切る。「法相は死刑のはんこを押したときだけニュースになる地味な役職」と発言し辞任した葉梨康弘前法相も当落線上だという。

 自民党内の“内戦”も熾烈化するとみられる。角谷氏によると、ポイントは10増10減の減員区。特に、23年4月に補選が予定されている山口、和歌山が注目だという。

「山口1区は現職の高村正大衆院議員、2区は岸信夫前防衛相の息子、3区は林芳正外相で、現在の4区のうち3区まで埋まる。断絶すると思われていた安倍元首相の後継は下関市議で調整に入ったようです」(角谷氏)

 しかし、補選後の衆院選は区割りで4から3に選挙区が減る。「調整に手間取っている現4区の下関市は新3区に加わるものの、同区では林氏が有力。つまり、安倍元首相の後継が存続することは厳しいでしょう」(同)という。

 3区から2区に減らされる和歌山もきな臭い。11月の知事選をめぐる現職知事の後継者争いで、二階俊博元幹事長の支援を受けた元国民民主の岸本周平前衆院議員が、世耕弘成参院幹事長が推した候補を抑えて党の推薦を獲得。衆院鞍替えを熱望しているとされる世耕氏だが、党公認争いが熾烈化する和歌山で、この結果は出馬への逆風だ。「場合によっては比例に回るか、そのまま参院議員を続けるほかないかもしれない」(同)

 与党が厳しい戦いを強いられる中、野党は軒並み議席増が見込まれる。ただ、どの党も過半数には遠く及ばず、政権奪取は夢のまた夢。決して展望が明るいとは言えない。

角谷氏は23年、政界再編の序章として野党大再編が起こると予測する。

「統一地方選が終わった後、立憲民主党が右派、左派に分かれて右派が大きくなると予測しています。臨時国会では、立憲民主の安住淳国対委員長は自民の高木毅国対委員長とほとんど大事な話はしておらず、ずっと森山裕前国対委員長と折衝していた。私は、森山氏が野党再編を前提に連立の秋波を送っているとみています」

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