
7月14日にリリースされる湘南乃風の3年ぶりのシングル「湘南乃『海 その愛』」には加山雄三の名曲「海 その愛」の音源が使われている。湘南乃風のHAN−KUNとSHOCK EYE、そして加山雄三が語り合った。AERA2021年7月19日号から。
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――「湘南乃『海 その愛』」は、湘南という場所を起点に夢と希望を抱き、“男の強さ”と向き合ったオリジナルの「海 その愛」を継承していくような楽曲だ。なぜ、新曲のテーマに「海 その愛」を選んだのか。
HAN−KUN:大好きな曲だというのが一番の理由です。人生という大海原を生き抜いた湘南の大先輩である加山さんの背中を、少しでも追いかけていけたらという気持ちもあって。そして、やるならやっぱり僕たちならではのオーセンティックレゲエにしたいと思ったので、加山さんの曲の中ではこの曲がレゲエとの相性も良いな、と。
本場の風も入れたいから、曲をジャマイカにあるボブ・マーリーのスタジオに送って、ギターを入れてもらった。加山さんが「海はひとつだ」とおっしゃった通り、この曲にはカリブの海の風も入っているんです。そうやって、海と同じように音楽もひとつにつながるな、と。
加山雄三(以下、加山):ボブ・マーリーは俺もよく聴いたよ。若い人が俺の曲をこうして歌ってくれるのは、本当にありがとうという気持ちです。しかもレゲエのリズムに変えて、新しく言葉を入れてくれて、こういう表現があるんだな、と。俺がやりたくてもできないことをやってくれたので、心から感謝してます。
SHOCK EYE:僕の父親が加山さんの大ファンで、子どもの時によく曲を聴いていたんです。親父は、自称「顔が加山さんに似てる」んですよ(笑)。
加山:そうなんだ(笑)。
■何を伝えられるだろう
SHOCK EYE:それで重なる部分があって。この曲を伝承することを考えた時、幼い頃、親父と釣りに行ってヨットに乗ってる姿を思い出したんです。寡黙であまり喋らない父親で、ベタベタした親子関係ではなかったけど、僕に何を伝えたかったんだろう。そう思うと同時に、自分の子どもにも、言葉ではなく態度で何を伝えられるだろうかとすごく考えたんです。それで海という大きな場所に向かって、飛び込んでみて何を学べるかということを、膨らませて歌詞を書きました。