まず、大前提となるのは強いサーブで攻め続けること。西田、石川を筆頭に、小野寺、高橋藍(日体大)、高梨健太(名古屋)、李博(東レ)、清水邦広(パナソニック)らも好サーブを持っている。サーブで攻めて相手の攻撃の選択肢を減らし、ブロックとレシーブで対抗する展開に持ち込めるかがポイントだ。攻撃面ではコート中央エリアからの攻撃をいかに通せるか。MB陣のクイックに加え、石川や高橋らのバックアタックも多用したい。そうすれば両サイドがより生きるようになり、相手の守備をかいくぐれるだろう。

 日本は1次リーグでベネズエラ、カナダ、イタリア、ポーランド、イランと同じA組になった。組み合わせに恵まれたと言ってもいい。石川が「最低条件」と位置づける1次リーグ突破のためには、最低でも2勝が必要だ。

 必ず勝ちたいのは初戦のベネズエラ。攻撃力はあるが、守備はそこまで堅くなく、1次リーグの中では最も戦いやすい相手だ。ここで星を落とすようだと一気に苦しくなる。初戦で確実に白星をつかみたい。

 4戦目に当たる世界選手権2連覇中のポーランドに勝つことは難しいだろう。イタリアは19年W杯や今季のネーションズリーグでは勝ったが、いずれも主力は出ていない。イバン・ザイツェフ、オスマニー・ユアントレーナらが並ぶフルメンバー相手には、厳しい戦いが予想される。

 突破条件となる2勝目を挙げるとすれば、カナダかイランが現実的だ。2戦目でカナダに勝利できれば、精神的にもグッと楽になる。ただ、カナダは高さもあり、一筋縄ではいかない相手。ネーションズリーグでは日本がベストメンバーではなかったとはいえ、0-3で完敗しており不安が残る。もう一つ、可能性が高いのは最終戦で当たるイランだ。中垣内監督体制になって以降、3勝2敗。直近の2試合は勝利しているが、簡単に勝てる相手ではない。いずれの相手にも総力戦で戦うことになるだろう。

 1勝にとどまって敗退するか、2勝以上挙げて勝ち進むか。そこには天国と地獄ほどの差がある。日本が最後に五輪で白星を挙げたのは、中垣内監督が現役だった1992年バルセロナ五輪が最後。29年ぶりの白星、そして1次リーグ突破に向けて24日から熱い戦いが始まる。

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