星野仙一監督が指揮した08年の北京五輪は、準決勝・韓国戦で同点の8回に救援登板した岩瀬仁紀が李承燁に決勝弾を浴び、2-6で敗れる。3位決定戦の米国戦も4-8で敗れて銅メダルを獲得できなかった。
国際試合に勝つのはいかに難しいことか。スポーツ紙デスクは北京五輪の苦い危険を踏まえ、東京五輪のメンバー選考に対して懸念を口にする。
「北京五輪で右翼が本職のGG佐藤を左翼でスタメン出場させ、決勝トーナメントで失策を犯しました。普段のペナントレースなら考えられないミスですが、緊張が極限に達して不慣れな守備位置だと起こり得ることなんです。今回の東京五輪で心配なのはメンバーがポジションによって偏っていることです。柳田悠岐が右脇腹の違和感で万全でないため、右翼の鈴木誠也を中堅に回ることが報じられていましたが、大丈夫でしょうか。同じ外野でも右翼と中堅では打球の切れ方や見える光景が違う。右翼や左翼との連携も必要です。三塁も村上宗隆が故障したらどうするのか。栗原陵矢がバックアップに控えていますが本格的に三塁を守ったのは今年からです。守備のミスが致命傷にならなければいいのですが…」
投打共に戦力は充実している。本拠地開催の東京五輪で金メダルを獲得し、37年ぶりの歓喜を味わうことはできるか。(牧忠則)