正直全然うまくいってなくて、えーっと、本当に金メダルを取れるなんて昨日の予選を泳ぎ終わるまでは一瞬も思ったことはありませんでした。(日本)選手権、ジャパンオープンと過ごしてきて、最後の(合宿先の)長野の試合も出させてもらったけど、そのときでさえ、「もしかしたら決勝にも残れないかもしれない」という不安があるぐらい状態がよくなくて。
でも、長野の最後の試合が終わったタイミングで、自分の不安要素が全部さらけ出されて、心がいったん折れたんですけど、先生と話して「チャレンジするのをやめるという選択肢もあるんだぞ」と言われて、一晩時間をもらって考えて、ここにチャレンジするというのを決めたので、そこからどんな練習がきても粘ることができたのと、選手村に入ってから気持ちもすごくワクワクしてきて、トレーナーさんの力も借りながら体もよくつくってもらえて。もしかしたらうまくいくかもしれないと思ったのは選手村に入ってからです。
――ひと晩考えてチャレンジしようと決めた最大の理由は。
400(メートル個人メドレー)をやめて、200(メートル個人メドレー)に集中しようと思ったこともあったんですけど。ただやっぱりメダルが絶対に取りたいという思いはあったので、メダルに近いほうと思ったら400だなと思って挑戦することを決めました。
(編集部・深澤友紀)
※AERAオンライン限定記事