全然実感がなかったんですけど、上る前に「オリンピックチャンピオン」というコールがあって、自分がオリンピックチャンピオンになったんだなと思ってうれしさがあふれた。正直まだ信じられない気持ちでいっぱいです。
――女子400メートル個人メドレーでは日本勢初の金メダル。過酷な競技でタフな海外の選手が強かった種目で、日本人として勝てた理由として思い当たることは。
やっぱり、(16年の)リオデジャネイロのオリンピックが終わってから、自分がこの種目を引っ張っていくぞと言う気持ちが大きくなって、引っ張ってきた自信もありますし、それがすべて出せたレースだったなと思います。17年(当時日本記録の4分31秒42)、18年(日本記録の4分30秒82)の記録があったからこそ、今日強い気持ちで挑めたと思うので。やっぱり、4個メ(400メートル個人メドレー)をやめておいたほうがいいと思っていた時期もありましたけど、泳ぎ続けてきた経験がすべて生きたレースだったと思います。
――今どういうふうに感じているか。実際に金メダルを取るために一番大切なこと、重要なことは何だったと思うか。
今はうれしい気持ちと、まだ信じられない気持ちでいっぱいです。正直、昨日の予選が終わってから、もしかしたら金メダルを取れるかもしれないという考えもあって、ただ、余計なことは考えずに自分のレースだけに集中して、もう周りは見ないで泳ぐというのが金メダルを取れた一番の要因だったかなと思います。
――金メダルを取れたのは、ご両親の支えも大きかったと思います。あらためてサポートへの思いは。
そうですね。やっぱり一番苦しいときを見てくれていた人なので、やっぱり自分が貧血のときとかすごく支えてくれましたし、水泳のことは詳しくない両親なので、あまり口うるさく言わずにいつでも見守っててくれて。特に社会人になってからはそんなにうまくいくことばかりじゃなかったんですけど、いつでも、どんなタイムでも優勝したら優勝おめでとうと言ってくれたり、レースに行く前に「楽しんで」「悠依らしく泳いでおいで」といつでも言ってくれたので。うーん、なんか両親も信じられないと思うんですけど、家族みんなで取った金メダルだと思います。