心房細動の主な原因は加齢で、有病率は年齢が上がるごとに高くなる。年をとれば誰でも起こる可能性のある病気だ。

「代表的な症状は動悸で、急にドキドキして胸に違和感が出るのが特徴です。しかし、この心房細動がある人の2人に1人は自覚症状がない、いわゆる“隠れ心房細動”といわれています」(木村さん)

 こうした隠れ心房細動は、どうやって見つけたらいいのか。その方法として、木村さんは、「年に1回受ける健康診断で心電図を測ること」と、「日々の脈チェック」の二つを挙げる。

 脈の測定は運動前後などでよく行われている。不整脈をみるのは医師や看護師など、専門的な知識がないとできないように思えるが、木村さんによると、誰でも簡単にたった10秒で不整脈がわかるという。脈のとり方は、普段、私たちがやっている方法と一緒で、利き手の人さし指と中指と薬指の3本で、反対側の手首の親指側にある橈骨(とうこつ)動脈にあてる。意識するとドクンドクンと脈を打っているのがわかる。

 不整脈で注視するのは、脈拍数ではなく、打ち方のリズムだ。1、2、3、4、5……と規則的であれば問題ないが、1、23、、、4、56……というように不規則に打っているような場合は不整脈の可能性が高い。

 いずれの方法にせよ、心房細動かもしれないと思ったら、一度、医療機関で診てもらったほうがいいだろう。診断されたら、一般的には血液を固まりにくくする抗凝固薬を脳梗塞予防として服用することが多い。病状によっては、アブレーションという血管内治療を行うこともあるそうだ。

【3】血管ストレッチを行う
 今回紹介するのは、「血管に効かせるストレッチ」だ。

 考案したのは、動脈硬化と運動の関係を研究する立命館大学スポーツ健康科学部教授の家光素行さん。これまで体が硬い人や冷え症の人は動脈硬化になりやすいといったことを、科学的に証明してきた。その家光さんによると、運動は動脈硬化を予防するという。

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