放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、RSウイルスについて。
【イラスト】「PTAやーめた」と気軽に言えない 子どもへの“見せしめ”とは?
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RSウイルスと聞いて反応する人、どのくらいいるでしょうか?
東京都は今年の6月末に、乳幼児を中心に流行するRSウイルス感染症の報告が都内で急増し、2003年の調査開始以来、もっとも高い値になったとして、注意喚起しました。1歳未満の乳児等は重症化する恐れがあり、最悪の場合、死亡する場合もある、めちゃくちゃ怖い病気なんです。
今、とてもはやってしまっているこの病気。RSウイルス感染症のおもな症状は発熱、咳、など、とても風邪に似ているのです。感染力の強さから、2歳までに多くの子どもがRSウイルスに感染すると言われていて、再感染もあるのですが、一般的には年長児以降は重症化することは少ないとも言われています。
このRSウイルス感染症は、飛沫が患者のくしゃみや咳によって空気中に放出され、それを吸って感染する。コロナと一緒ですね。特効薬がなくて、治療には対症療法が用いられる。これもコロナと似ているんです。
なぜ僕がRSウイルスのことを語っているかと言いますと、息子、笑福が2016年にRSウイルスにかかり入院し大変な思いをしたのです。そもそも僕がRSウイルスを知ったのは、一緒に番組をやっていた女性スタッフの体験から。この女性の子どもは生後半年ほどで感染し高熱が続き、大変だったと。その人から「子どもが生まれたらRSウイルスだけは気をつけてくださいね」と助言を受けていた。
とにかく1歳までの間に、なんとかかからずに気をつけたいと思っていました。が、1歳2カ月。ちょうど今くらいの夏。笑福が熱を出して、容体が変で、夜に病院に連れて行ったのですが、風邪と診断された。でも2日たっても治らず、様子が変。咳も苦しそうで。息をするときも変な音がして。それで、もう一度病院に行きました。そしたら先生は「まさかだけど」と検査をしました。その結果、「まさかのRSでした」と。